2013年2月23日土曜日

今年はマダニ予防をしっかりと!

おとなりの山口県のニュースに続いて今月19日には、広島県内でも昨年夏、マダニが媒介するウイルス感染症 「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で死亡者が出ていたことが確認されました。

治療方法が確立されていないことや死亡率が10%に及ぶことを聞くと、ペットを飼う飼い主さんたちがワンちゃんにマダニが付くのがとても心配だ!と感じるのもなんら不思議はないことだと思います。実際、私たちが住んでいる中山を含めて東区、市内からもマダニに寄生されたワンちゃんやネコちゃんは毎夏やってきます。そういうわけで、病院スタッフだってマダニに接する機会はずっとずっと高く私たちだって不安を感じてしまうこの頃です。
以前、マダニについてのブログを書いていますので興味のあるかたはこちらもどうぞ。
ネコちゃんの目の周りのブツブツの正体は?


広島県のホームページでも21日から病気の予防方法や相談窓口が紹介されています。
当院でこれまでお勧めしていた予防期間はフィラリア予防時期にあわせて5月~11月頃です。とはいえ、その時期以外にはマダニがいなくなっているわけではありません。
じゃあ寒い時期のマダニはなにをしている?かというと、葉っぱの下で幼虫、若虫たちは越冬中です。葉が10cmと伸びてくる春から葉に上って草むらにやってくる動物を待ち構えています。ちょうど広島県のホームページにもマダニが見つかった季節の報告が載っていますが、病院でよくみかけるダニはフタトゲチマダニです。フタトゲチマダニの出現ピークは夏から秋になります。年中みつかっているキチマダニはどちらかというと山によく入る猟犬がくっつけてきます。そのため、予防期間は地域や活動範囲によってもことなりますので、お近くの動物病院にご相談ください。

人がマダニに咬まれる予防をするには、
野外で活動する際に(1)長袖、長ズボンを着用し、すそを入れ込む(2)肌が出る部分に防虫スプレー噴霧(3)活動後は体や服をはたき、帰宅後すぐに体を洗い、衣服は洗濯(4)吸血中のマダニを見つけたら医療機関で処置(5)マダニにかまれた後、発熱などの症状があれば受診する
だそうです。

ペットはどうするかといえば、毎月のスポットオンタイプ(皮膚にたらすタイプ)か内服薬でマダニの寄生を予防することになります。

そろそろ春が近づいてきています。ダニの活動する春からは使いやすいタイプでしっかり予防していきましょう!今年は、犬の病気としてだけ捉えるのではなく人間も怖い病気としての認識が高まり、早い時期から薬をとりにくる飼い主さんが増えてきています。
今シーズンは予防がしっかり広まってほしいという切なる願いから、お薬料金に割引をはじめました(最後に宣伝のようですみませんヾ(^-^;) )。