2012年11月28日水曜日

猫アレルギーがワクチンでニャンとかなる時代!?

猫に対するアレルギーを持っている人に近い将来の2014年に画期的?となる治療が海外で始められるそうです。

犬、猫、ハムスターといった動物にアレルギーがでてしまう人がたくさんいます。犬に比べると猫アレルギーだという人の方が周囲を見渡してみると多いように思います。
猫がいる部屋にはいると、とたんに目がかゆく真っ赤にしてこすり始める、鼻水が出始める、クシャミや咳が止まらなくなる、猫を触った皮膚が赤く腫れてくるといった症状が出るなんてことはありませんか?

唾液に含まれる蛋白質が毛づくろいにより猫の毛や皮膚に付着します。これら毛やフケに含まれるタンパク質( Fel d 1)が、ネコアレルギーの最大の原因と言われています。そのため、この蛋白質に免疫反応させないよう、アミノ酸配列のいくつかの部分を用いるペプチドワクチンが欧米で開発され、臨床治療準備段階が進んでいるそうです。すでに臨床実験を受けた21人が治療を受けた1年後には症状が大きく軽減したとのことです。今行われている減感作療法より安全で効果的であることから、これからも治療開発は進められていく模様です。

アレルギーを持っているなら猫とは暮らさず、猫を飼っている人とも接触しなければ症状に悩まされることもないかもしれませんが。。。
2006年には、アメリカで猫アレルギーがおこらない遺伝子をもった猫の誕生に成功したといって、高額で猫を販売とりひきする詐欺事件?が実際に起きるほど、猫アレルギーを持っていても猫となんとか暮らしたいと願う人がたくさんいるのです。

いずれにせよ、安全にアレルギーの治療が進められるなら喜ばしいことです。
誰もが何かにアレルギーを持っているような現代ですが、ワクチンで猫アレルギーはニャンとかなる時代になるのかもしれませんね。

参照;
Targeted vaccines against feline dander could be the cat's meow    p1597
Megan Scudellari
nature medecine vol.18 no.11 november  2012 1112-1597
http://forcast.emailalert.jp/c/ahvfahq7pU5Xxgam

2012年11月21日水曜日

今月は歯の治療月間でした。

特に、歯周病に季節は関係ないのですが、、、、。今月はなぜだか歯周疾患の患者さんが多くみられました。前回は犬の話をしたので、今回は猫ちゃんの歯肉炎の写真を載せてみます。



歯肉だけでなく舌や矢印のように口の奥、のどの入口まで、赤く腫れて炎症を起こしています。口の周りが汚れてきて、触られると痛がり食べることが出来なくなり来院しました。こういった猫の慢性歯肉口内炎の原因は確定していませんが、口腔内細菌や細菌の出す毒に過剰に反応して起こるのではないかと推察されています。また、最近ではウイルスの関与も推察されています。口腔内の清掃や、抗生物質、ステロイド、抗炎症剤など様々な内科療法が試みられますが、完治しないことが多く、現在のところ、全臼歯抜歯(奥歯を全て抜く)、あるいは、全顎抜歯(全ての歯を抜く)が最も効果的で完治を望める可能性のある治療法とされています。
この猫ちゃんの場合は、全臼歯抜歯といって奥歯を全て抜歯する治療を行いました。

なにもすき好んで歯を根こそぎ抜くわけではないのですが、痛みの元凶となる歯がなくなるほうがよっぽど生活の質の向上が見られて、よく食事がとれるようになるからなのです。正直な話、抜歯はする方も大変です。小さな猫の歯根を折って残さないように慎重に慎重に、時間も労力も気もすり減らせてやっています。

今月治療した猫ちゃんではありませんが、治療のビフォアー、アフターの写真です。
今までの慢性歯肉口内炎の中でも相当酷い症例だったのですが、、、
舌の裏側まで潰瘍と肉芽腫(炎症で赤く盛り上がった部分)が出来ていましたが、全臼歯抜歯後かなりよくなりました。



とはいえ、皆がみな抜歯適応というわけではありません。腎臓の病気や猫エイズや白血病ウイルスの感染など何か他の病気があれば、口の治療だけでよくなるものでもありません。
口が臭う、よだれが多い、食べたそうにはするが食べない、口を触ると痛がるなど何か口の病気のサインがあれば、まずはお早めに動物病院に相談してみてください。