2011年8月28日日曜日

寄生虫にだって寄生する?!

現在では、お薬で予防できるフィラリアという病気、みなさんご存知ですか?
実は、100年以上前に発見された病気だそうです。

ワンちゃんの飼い主さんには、すっかりおなじみかと思いますが、実は、犬だけでなく、猫、フェレット、キツネ、アシカ、コヨーテだったりさらには人にも感染することがあります。

蚊に刺されることで幼虫が伝染し、発育するにつれ心臓から肺へ向かう動脈に住み着くソーメンのような虫(線虫)です。病気が進むと咳がでたり心不全になってしまう怖い病気なのですが・・・。

このにっくき寄生虫であるフィラリアにも実はさらに感染している生物がいます。ボルバキアといって細胞内に感染するリケッチア(細菌の仲間)で1970年代に発見されました。
(ボルバキアの仲間はフィラリア以外では、ダンゴムシやテントウムシなど昆虫にも感染していることで知られているようです。)

抗生物質でボルバキアをやっつけると、フィラリアのメスの繁殖力が低下したり、フィラリア症により生じる生体内での炎症反応も軽減することが分かり、病気の治療にとっても役にたつことが数年前より報告されています。

ボルバキアが不思議なことにフィラリアの繁殖やフィラリア症の病気の進行にも関係していることがわかってきたのですが、まだ分からないことも多くフィラリアとボルバキアの共生関係は現在も研究が続けられている最中です。

犬にとっては厄介な寄生虫たちですが、フィラリアにとってはボルバキアは共生しあう相棒みたいなものなのかもしれません。

フィラリア症の予防は広島市では11月中旬~下旬までは必要です。
投薬をお忘れなく!

2011年8月21日日曜日

入院も悪くないにゃあ~

  わしぁ~はぁ~ぶち胸が苦しゅうて、もう3日も入院しとるんよ。
ほじゃけど家が一番じゃおもーちょったが、 病院もまぁ悪くはないところじゃねぇ~。

でも、そろそろ退屈じゃけ~、父ちゃん母ちゃんはよー迎えにこんかねぇ~。

 と、広島弁でモンちゃんが言ったかどうかは定かでないが・・・
 
 そんなおくつろぎ中に見えるモンちゃんですが来院した日は、結構重病でした。1週間ほど食べられず、呼吸も苦しく、40度以上の発熱がありました。
検査の結果、膿胸といってレントゲン写真のように、右側半分(向かって左)の真っ白に見える部分には、膿がたまっていました。右の胸の中は膿で満たされているため肺はまったく膨らめず、左の肺だけで呼吸していました。

右の胸の中にドレーン(チューブ)を入れて、そこから膿を毎日抜いて洗浄することを繰り返し、すっかり元気になってくれました。

よかったね。モンちゃん!
モンちゃんが無事退院してくれて嬉しいけれど、ちょっぴりさみしく思うスタッフ一同です。


2011年8月19日金曜日

ボク、飼い主泣かせのフクロモモンガ!


  ボクはフクロモモンガの男の子。
ある日、体のあちこちを噛みたくって仕方なくなって、血が出るほどしっぽを齧ったんだ。

びっくりしたお母さんに病院に連れて行かれて、齧れないようにこんな姿にされちゃった。

ご飯を食べられないと思うでしょう?

でも、大丈夫。ボクは、器用だからこれでも生活はできるんだ。

 
  
でも、ある日。カラーをうまくはずすことに成功して、また好きなだけしっぽを齧ったんだ。
お母さんは、痛いのになんで自分でこんなことするの?!とびっくりして、またまたボクを病院へ。

結局、ボクのしっぽは切られてなくなってしまったんだ。

なんで齧らずにいられないのかなって言われても、
イライラしてきて齧ってしまうのをやめられないんだから仕方ないよ。

 

あれから、半年後のボク。
ちょっと変わったの分かる?
オスの勲章っていうのかな?頭の脱毛がなくなったでしょ。
というのも、半年前に去勢手術されちゃったんだ。

イライラの衝動を抑えるためだとかなんとかいって睾丸を取られて、向精神薬を飲まされて、お腹の原虫も駆虫して、まあおかげでなんだか最近イライラも減って穏やかに暮らしてるかな。

お母さんにも、穏やかでいい子だねってほめられるようにもなったしうれしいな。

でも、やっぱり自咬症の不安はまだ残ってるっていうのでカラーは付けて生活してるよ。
30分ぐらいはお許しがでてカラーをはずしてもらうこともあるし、ちょっとずつだけど前進中なんだ。


なんてこと言ってるかどうかはわかりませんが・・・。
飼い主さんと気持ちは同じで、フクロモモンガの自咬症には困っています。
世界中でフクロモモンガはペットとして飼われていますが、やはり同じ病気で困っているという話を耳にします。
群れで社会生活を営む動物であることもあってか、特に若い1頭飼いのオスや群れの仲間が死にひとりぼっちになった個体などにみられることからもストレスに関連して発生する病気だと言われています。
予防には、十分なスキンシップや運動、オスの去勢手術、群れやペアで飼うっていう方法がありますが、群れだと次から次へと増えて困ってしまことにもなります。
これからペットにしようかと考えている方!目がクリクリで本当にかわいいのだけど、運動量もスペースもスキンシップも充分に飼うことができるか考えてみてくださいね。
見た目のかわいらしさに反して鳴き声は悪魔のささやき?です。

2011年8月12日金曜日

お盆期間の診療時間のお知らせ


すっかりお盆らしくなり、あちこちのお墓で盆燈篭がたくさんみられるようになりました。この賑やかさを経験するのは今年で2回目なので驚きも少なくなりましたが・・・

8/13(土)~16(火)までのお盆期間中は、診療時間は午前のみ(午後休診)とさせていただきます。

診療時間 : 午前 9:30~12:30 

せっかくのお盆休みです。
ペットも人も暑さに負けず健康に過ごしてくださいね。

2011年8月8日月曜日

歯周病について

前回、歯石除去したワンちゃんのことをブログに書いたところ、思っていた以上に反響がありました。
歯磨きへの関心や歯石除去の質問も多いので、今日は歯周病の進行具合を簡単にチェックできる歯周ポケットの検査について書いておこうかなと思います。
歯周病には関心はあるのだけど、歯磨きまではなかなか~というかたも実際のところたくさんいるようです。
ある日、突然には歯磨きできるようにはなりません。しかし、子犬だといろいろなことを受け入れやすい時期なので身に着けやすく、是非始めてみてもらいたいなあと思います。




 歯と歯肉の間から歯周プローブというものを入れて、歯周ポケットの深さをチェックしています。ぱっと見たところ、歯石が付着している程度でそんなに悪そうには見えないのですが次に左隣の歯を見てみると、、、、
歯周ポケットが深く、プローブが殆ど全部入ってしまっています。これで、歯周ポケットの深さは15mmくらいあります。このワンちゃんは、この歯の付け根辺りを触られるのを痛がり、歯の根元が腫れているという症状で来院しました。


上の写真と同じ部位のレントゲン写真を見てみると、歯の周りが黒くなっているのが分かるかと思います。本来、骨は白く見えるのですが、これは、歯周病の元となる細菌によって下顎の骨までが溶かされてしまっている写真です。この歯は、歯肉にくっついている感じで、少し引っ張るだけで簡単に抜けてしまうような状態で、黒くなっている歯の根元には膿が溜まっていました。
歯周病のサインとしては、

■よだれが多くなった。
■口の周りの汚れが目立つようになった。
■口臭を感じる。
■口の周りを前足で気にしていることが多い。
■口の周りを触ろうとすると嫌がる。
■軟らかいものを好み、硬いものは食べようとしない。
■食欲はありそうなのに、食べようとしない。
■片側の目に目ヤニが見られる、または目が充血している。
■クシャミ、鼻水、鼻からの出血などが断続的に見られる。
■頬や顎が腫れている。または、穴が開いている。

こんなサインが見られていたら要注意です。あなたのお家のワンちゃんは大丈夫ですか?

2011年8月3日水曜日

はちのすけを探せ!

先日のブログで歯石処置の様子をアップしました。そのワンちゃん(ランちゃん)のお父さんから手作りの嬉しい贈り物をいただきました。ありがとうございました。

病院のマスコットである、オオサンショウウオのはちのすけ君です。
病院の待合室にいますので、みなさんはちのすけを探してみてくださいね!!

岩場に隠れる はちのすけ。

草葉の陰にも はちのすけ

岩の上にも はちのすけ
                               まるで水の中にいるみたい。

めおとオオサンショウウオです。


さあ、僕たちどこにいるでしょう~。待合室で待ってるよ。