2011年8月8日月曜日

歯周病について

前回、歯石除去したワンちゃんのことをブログに書いたところ、思っていた以上に反響がありました。
歯磨きへの関心や歯石除去の質問も多いので、今日は歯周病の進行具合を簡単にチェックできる歯周ポケットの検査について書いておこうかなと思います。
歯周病には関心はあるのだけど、歯磨きまではなかなか~というかたも実際のところたくさんいるようです。
ある日、突然には歯磨きできるようにはなりません。しかし、子犬だといろいろなことを受け入れやすい時期なので身に着けやすく、是非始めてみてもらいたいなあと思います。




 歯と歯肉の間から歯周プローブというものを入れて、歯周ポケットの深さをチェックしています。ぱっと見たところ、歯石が付着している程度でそんなに悪そうには見えないのですが次に左隣の歯を見てみると、、、、
歯周ポケットが深く、プローブが殆ど全部入ってしまっています。これで、歯周ポケットの深さは15mmくらいあります。このワンちゃんは、この歯の付け根辺りを触られるのを痛がり、歯の根元が腫れているという症状で来院しました。


上の写真と同じ部位のレントゲン写真を見てみると、歯の周りが黒くなっているのが分かるかと思います。本来、骨は白く見えるのですが、これは、歯周病の元となる細菌によって下顎の骨までが溶かされてしまっている写真です。この歯は、歯肉にくっついている感じで、少し引っ張るだけで簡単に抜けてしまうような状態で、黒くなっている歯の根元には膿が溜まっていました。
歯周病のサインとしては、

■よだれが多くなった。
■口の周りの汚れが目立つようになった。
■口臭を感じる。
■口の周りを前足で気にしていることが多い。
■口の周りを触ろうとすると嫌がる。
■軟らかいものを好み、硬いものは食べようとしない。
■食欲はありそうなのに、食べようとしない。
■片側の目に目ヤニが見られる、または目が充血している。
■クシャミ、鼻水、鼻からの出血などが断続的に見られる。
■頬や顎が腫れている。または、穴が開いている。

こんなサインが見られていたら要注意です。あなたのお家のワンちゃんは大丈夫ですか?