2011年7月15日金曜日

野鳥のヒナを拾わない決意をするって難しい!!


野鳥の会へ

春から今時期にかけては毎年、ツバメやスズメの雛を拾った方が病院にやってきます。
道端で見つけた場合や自宅に飛んで入ってきたとかいろいろなケースです。
この雛たちは本当に一人ぼっちのかわいそうな雛なのかというと決してそうとは限らないのです。

そういう私も子供のころから、ヒヨドリ、ムクドリ、ヒバリ、ツバメといろいろ拾ったものです。今でいうなら誘拐していたのですが。。。当時はかわいくてかわいそうで仕方ないという気持ちしかありませんでした。
ちゃんと育って寿命を全うした子もあればすぐに死なせてしまったこともあります。
当時は、まさか親と巣立ちの練習中の若鳥だったとは思いいたりませんでした。

そんなわけで、電話の相談も多いよくある質問を載せておきたいと思います。

Q1:ヒナを見つけたときは、どうしたらよいのでしょうか?

A1:巣立ち直後のヒナはあまり動きません。親鳥は人がヒナの近くにいると警戒して近づけないので、その場を去る方がよいでしょう。
実は、親鳥が餌を与えつつ一人立ちするまでの最後の教育をしている最中ということが多いのです。

Q2:ネコやカラスに食べられないでしょうか?

A2:心配な場合は、ヒナを近くの茂みの中に移しましょう。親鳥は姿が見えなくても、ヒナの声で気づくことができるでしょう。スズメやツバメなど幼すぎるヒナが巣から落ちてきた場合には、巣に戻すことが難しければ自宅にあるカップラーメンの空の容器などに雛を入れて猫の届かない位置に置くという方法もいいかと思います。

Q3:人がヒナを育てることはできないのですか?

A3:たくさんの虫を与え続けるなどすれば、育てられることもあります。ただ、自然界では巣立ち後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間から1ヶ月)に「何が食べ物で、何が危険か」などを学習してひとり立ちするので、人に育てられたヒナが自然の中で生きていけるとは限りません。
できるだけ、野鳥として生きていく術を身につけてもらうためには、人間ではそのノウハウを教えることは出来ません。自然で生き残るためにも、なんとか保護したら早い段階で親鳥のもとに返してあげる方法を模索してみてください。

Q4::怪我をして飛べないときはどうしたらいいでしょうか?

A4::広島なら役場の中に有る 環境県民局 環境部 自然環境課 電話082-513-2931や最寄の動物病院に電話して相談してください。保護してすぐに動物病院につれていけない場合などは、小さめのダンボールや紙箱に入れ、温度は25~30度くらいにして暗く静かにしておくようにしてください。
しょっちゅう覗いたり触ったりすると弱ってしまうので気をつけてください。


 先日、保護されたツバメの若鳥が来院しました。羽に紐のようなものが巻きついて飛べない以外は怪我もありませんでした。保護してすぐだったため紐をはずし、拾われた方に保護したところにいち早く戻してもらったところ、無事親鳥や仲間と合流でき飛んでいったという連絡をうけました。
なかなかうまく放鳥できるケースも少ないですが、こういう話が聞けるととても嬉しくなります。
まだまだヒナを見つける機会は多いと思いますが、ヒナは修行中!と出来るだけたくさんの人に知ってもらえたらと思います。